介護の「質」は職場の人間関係次第! Posted on 2022年5月10日2023年8月19日 by tabe HOME >コラム>結城 康博 氏 介護コラム 結城 康博 氏 淑徳大学 総合福祉学部 教授 「介護・福祉の質」と問われれば、「人」そのものと応える。当然のことながら「介護」とは、「人」が「人」をケアするサービスだからである。昨今、介護ロボット、ICT化といった「技術」が介護業界でも注目されている。確かに、これらはサービスの質の向上に寄与する。しかし、最終的には介護職員等が、しっかりと使いこなせないと効果は期待できない。当然、介護ロボット等は「人」によって操作されているに変わりはない。周知のとおり介護現場は慢性的な人材不足に陥っている。コロナ禍前から深刻な状況であったが、さらに事態は良くない方向に進んでいる。少ない人員配置の中でサービスの質を落とさず、ケアを提供することに苦慮してる介護現場の声をとく耳にする。 しかし、数は少ないが人材に困らない介護事業所もある。適宜、応募の問い合わせがあり、介護職員の採用試験では倍率が生じている。このような介護事業所に共通することは、常に働く介護職員等が後輩や同僚を気遣い、養成するスタンスが根づいている。つまり、働く環境が素晴らしいといことだ。介護職員が「離職」する最大の要因は「人間関係」であり、賃金が安いといった理由ではない。その意味では、職場の人間関係と介護サービスの質には相互作用が働いている。もっとも、介護に限らず「人間関係」の問題は全産業共通のテーマである。業績の高い会社は、人間関係が良好でチームワークが良い。職員同士が仲良ければ。仕事のパフォーマンスもよくなる。介護サービスの「質」を考えるには利用者への対応と同時に、一緒に働く同僚・後輩との良好な関係作りである。人手不足に困らない介護現場は、「人」が「人」を呼び込みリクルート活動をせずに済む。単純ではあるが、まずは職場の人間関係が良好か否かを再確認してから、介護サービスの質を考えてみてはどうであろうか? 連載一覧 権利意識の強い高齢者が増えている! 2022年7月11日介護報酬請求とファックス 2022年6月13日介護の「質」は職場の人間関係次第! 2022年5月10日 無料で体験する 資料を取り寄せる