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次回の介護保険制度の改正が2024年に予定されています。2024年度は医療保険や障害者総合支援法も改正の時期にあたるため、大きな転換期となることが予想されます。2024年の介護保険制度の改正では、社会保障費や利用者負担が大きな論点となっており、介護事業者としても目が離せない内容となるでしょう。この記事では、2024年の介護保険制度の改正に向けた政府提言について、わかりやすく解説します。
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介護保険法は、高齢者の現状を踏まえつつ社会のニーズに合わせるため、3年ごとに改正する仕組みとなっています。介護保険制度が創設されて20年が経ち、厚生労働省の「介護保険制度の概要(令和3年5月)」によると65歳以上の被保険者は1.6倍に、介護サービス利用者は3.3倍に増加しました。いまや、介護保険制度は高齢者の生活に欠かせないものとなっています。
高齢者人口が増え続ける一方、介護保険制度を支える現役世代は人口が減少しています。介護保険制度を維持していくためには、制度を見直しながら現状に合わせていかなければなりません。また、高齢者を取り巻く現状や社会ニーズも変化していくため、定期的に介護保険制度の改正が行われているのです。
介護保険制度を改正する際には、まず、介護保険制度や介護保険サービスのあり方について調査が行われます。その後、大きなテーマが決まり、厚生労働省や財務省の部会で意見が交わされます。最終的に、テーマに沿って新たなサービスや加算などが決まっていく仕組みです。改正の際には、「財源からの支出を抑えたい財務省」対「社会的ニーズや現場の現状に合わせた施策をとりたい厚生労働省」という構図が見られています。
2024年の介護保険法改正に向けた政府提言が出そろっています。この政府提言で注目したいポイントは5つあります。それぞれについて、詳しくみていきましょう。
1点目は、増え続ける介護費を補うため、利用者負担を原則1割から原則2割にしたいという提言です。介護保険の利用者負担は、現在は本人所得が160万円以上220万円未満の場合は2割負担、220万円以上の場合は3割負担となっています。この基準を引き下げることで、給付を抑えたいというのが、政府の狙いです。
しかし、原則2割負担となると、利用控えが起こる可能性があります。本来ならば介護サービスを利用する必要のある人が利用を控えてしまうことは、重度化を招く可能性があり、自立支援の考え方に逆行するとの意見も出ています。
2割もしくは3割負担を線引きする所得基準は、介護保険制度ではなく政令に委任されています。そのため、厚生労働省が意思決定できる裁量を持っています。このことから、2割負担については、2023年夏には結果が出る見通しとなっています。なお、3割負担については、結論を出す時期が示されていないことから、2024年度に対象者が拡大する可能性は低いでしょう。
2点目は、福祉用具貸与のみの利用の場合、ケアプラン費をカットすべきとの提言です。財務省は、福祉用具貸与のみのサービスはほかのサービスに比べて労力が少ないと指摘したうえで、サービス内容に応じた報酬体制にすべきと提言しています。
しかし、ケアプランにはフォーマルサービス(介護保険制度内の公的なサービス)だけではなく、インフォーマルサービス(家族や地域、ボランティアなどによる、公的ではないサービス)も含まれており、モニタリング以外の場面で細かな連絡調整を行うケースが多いのが現状です。現場からは、福祉用具貸与だけだからといって、必ずしも業務負担が少ないとは限らないとの意見が出ています。
提言では、手すりや杖などの廉価な福祉用具を販売へ切り替えて、居宅介護支援費をカットすることも求めています。しかし、販売に切り替えてしまうことで、毎月のモニタリングがなくなってつながりが途絶え、結果として利用者が孤立してしまう可能性もあるでしょう。
3点目は、小規模法人を大規模化すべきという提言です。介護サービスの主体は、小規模な法人が多いのが現状です。介護保険制度の開始当初、政府は競争による介護サービスの向上を狙っていたため、さまざまな法人が介護業界に参入する結果となりました。そのため、小規模法人が多数を占める状況となっています。
政府は、小規模法人が増えた結果、質の向上が不十分で業務効率化が進まない、感染症発生時の業務継続がおぼつかない現状を指摘しました。財務省は、大規模で拠点数の多い法人ほどスケールメリットが働き、平均収支率がよいことを挙げています。そして、大規模化・協働化していくことで経営の効率化を促進しようと提言しています。
しかし、現場からは「小規模だから質が低い、大規模だから効率的という考え方は短絡的」と批判的な声が多く挙がっています。
4点目は、多床室の室料負担の見直しです。現在、特別養護老人ホームでは、すでに多床室の室料を徴収しています。一方で、同じ介護保険施設である介護老人保健施設と介護医療院、介護療養型医療施設には室料負担が設定されていないため、利用者負担が軽くなっているのが現状です。
そのため、介護保険施設で公平な居住費を求めていく観点から、介護老人保健施設と介護医療院、介護療養型医療施設の3施設の室料相当額を、基本のサービス費用から外す方向で議論が進んでいます。
5点目は、人員基準の見直しです。介護業界は長らく慢性的な介護人材の不足に悩んでいます。この介護人材不足の対応として、以前から人材基準の見直しについては議論が続いていました。前回の改正では、特定施設におけるICTやロボット活用による人員基準緩和が検討され、2022年に実施の方向でした。
ところが、関係団体や現場からは反発の声が続出したため、実施には至りませんでした。今後もこの議論は続く方向で、2024年の改正に向けた論点になる可能性は高いでしょう。
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2024年の介護保険法改正では見送りが決定した提言のなかに、特に注目しておきたいトピックがふたつあります。これらは2027年の改正時に結論が出されるため、今後も動きに注意しておきましょう。
1点目は、現在、介護給付となっている要介護1・2の訪問介護、通所介護の利用を、総合事業に移管する構想です。要介護1・2の訪問介護と通所介護が総合事業になると、保険者である市町村の判断で報酬や基準が決められるようになります。その結果、介護費の抑制や、人員基準緩和による担い手拡大が期待できるとされています。
しかし、先に総合事業になった要支援者の訪問介護および通所介護の実施団体を見ると、担い手の拡大化は進んでいません。
また、要介護1・2の利用者には、ADLは自立していても認知症が進行しているケースが多く見受けられるため、在宅生活の継続には専門的なサービスが必要との意見も多くなっています。総合事業へ移管してしまうと、専門的なサービスが受けられず、かえって重度化を招くとの反対意見も散見されます。
2点目は、介護保険サービスでは10割保険負担(利用者負担なし)となっているケアマネジメントの費用を有料化するという提案です。ケアプランの有料化については、以前より議論がなされてきました。
現在、在宅サービスにおけるケアマネジメント費用は全額保険給付(利用者負担なし)となっているのに対し、施設サービスにおけるケアマネジメント費用は利用者が負担するサービス料金に含まれているため、在宅と施設の間で公平性が保たれていないと政府は指摘しています。ケアプランを有料化することで、在宅と施設サービスの公平性の確保が期待できるでしょう。また、利用者が費用を負担することでケアプランに関心を持つことが考えられるため、ケアマネジメントの質の向上という目的につながる可能性もあります。
しかし、ケアプランが有料化されると、本人や家族の意向をできるだけ反映してもらいたいという圧力が強まり、必要なサービスの種類や量を適正に組み込めなくなる可能性も考えられるでしょう。
今回紹介した政府提言は、これから社会保障審議会を経て、2024年度の改正に向けて骨子が決まります。今後の動向を見ながら、改正に向けて早めに対策をしていくことが大切です。
また、今回の提言では、業務効率化やICTに関する議論も見られています。多忙な介護現場の労働環境の改善や、介護の質の向上には、介護ソフトの導入・リプレイスも効果的です。
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