支援に行き詰まったときの“原点回帰”とは…

介護コラム

平岡 毅 氏

カトリック聖ヨゼフホーム 総合施設長

生活介護の現場では、利用者さんのことを丁寧にアセスメント(情報収集・課題分析)し、ケアプランや個別援助計画等を立案し、その計画に位置付けられているサービスや援助の内容を実施していくわけであります。
しかしながら、これまたなかなか上手く行かないということは良くある話ですし、前回のコラムでも援助や支援での行き詰まり感や煮詰まった感的な内容での“困難”ということについてのお話をさせていただきました。

今回は支援に行き詰まったときの“原点回帰” ということについて考えることとし、援助・支援の本質的な学びとわかちの機会としたいと思います。

それでは先ず、今回のテーマに記した“原点回帰(げんてんかいき)”についての確認として、
「物事の出発点に帰ること。」であったり「基本に戻ること」等々と解釈されるところでありますが、前述のような援助や支援での行き詰まり感や煮詰まった感を抱い(感じ)たときはどうでしょうか?
この場合の“出発点”や“基本”とは「どこ」?であり「なに」?なのでしょうか?
アセスメントやケアプランの内容なのでしょうか。もっと突っ込んで言うと総合的な援助の方針や短期目標の内容なのでしょうか。はたまた、職員さんの人員配置体制等々ということなのでしょうか。

平岡的には、支援に行き詰まったときの“原点回帰”は、
いつもいつのときも「利用者さんにとってどうか!」を考えることだと思っていて、
とにもかくにも上手く行かないのだけれども、利用者さんご本人にとってはどうなのか、どうして差し上げることがご本人にとって最善なのか…
という原点(そもそも)に立ち返る!ことだと思うのです。
もちろん支援に行き詰ったときに要因や原因の分析はすると思うのですが、それよりも先ずもって大切にしたいのが、この原点(そもそも)だと思うのです。
昨今の人材不足は深刻でありますが、この視点は支援の「核」であり「根幹」であると思うのです。

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