介護リーダーが抱える悩みと解決のためにできる3つのこと

介護現場を円滑に回していくためには、介護リーダーの存在は欠かせません。
しかし、介護リーダーは、上司と部下の板挟みになりがちであり、利用者家族との対応に苦慮するなど、ストレスを抱えやすい立場ともいえるでしょう。
介護事業所を運営するためには、介護リーダーが抱える悩みを知り、解決に導くことが重要となります。

この記事では、介護リーダーが抱える悩みと解決策について解説します。

介護リーダーの業務内容と必要なスキルを知ろう

介護リーダーの悩みを知るためには、介護リーダーにはどのようなスキルが必要で、どのような業務を行っているかを理解する必要があります。介護リーダーの業務内容と必要なスキルについて、詳しく見ていきましょう。

介護リーダーが行う業務内容

介護リーダーが行う主な業務内容は、次の3つに分けることができます。

現場で働くスタッフのマネジメント

介護リーダーの仕事としてまず挙げられるのが、現場で働くスタッフのマネジメントです。具体的には、現場で働くスタッフの勤務管理や調整、普段の仕事の割り振りなどを行います。シフト作成を行う介護リーダーの場合、スタッフの希望だけでなく、事業所内でのイベントに合わせて人数調整を行う必要があるため、事業所全体の流れを把握しておかなければなりません。
普段の仕事の割り振りを行うためには、一人ひとりの職員の状況を把握しておく必要もあります。まだ経験が浅い職員がいる場合は、指導役と一緒に配置するといった配慮が欠かせません。

また、現場スタッフが働きやすいような環境を整備することも、介護リーダーの仕事のひとつです。必要物品の配置や相談しやすい雰囲気づくりなど、いろいろなことに気を配る必要があります。

介護職員の教育・育成

介護職員の教育や育成も、介護リーダーの大切な仕事です。新人職員に対しては、自らが育成を行うだけでなく、誰を教育担当にするかといった人選も行います。OJTが滞りなく進められるよう、日々の担当者を選出したり、評価を行ったりします。
また、職員全体の介護技術や知識の底上げのため、研修計画を作成し、研修を開催する仕事もあります。事業所内で定期的に研修を開催している場合には、年度初めには計画を発表し、年度が終わるころに振り返りをして、次年度の研修がよりブラッシュアップできるようにします。

他部署、他職種との連絡・相談、家族とのやりとり

介護リーダーは自分の所属部署だけでなく、他部署や他職種との連絡や相談などを行う立場にあります。具体的には、利用者の担当ケアマネジャー(ケアマネ)やリハビリスタッフなどとのやり取りが多くなります。そのため、普段から利用者の状況をしっかり把握しておかなければなりません。また、利用者に変化があったときには、リーダーからケアマネやリハビリスタッフなどに相談することもあります。

利用者家族とのやり取りも、主に介護リーダーが行います。家族から自宅での様子や希望などを聞くことも少なくありません。ときには、苦情対応をすることもあります。特に、緊急時の連絡対応は、利用者の状況を把握している介護リーダーが行っていることが多いでしょう。

介護リーダーに必要なスキル

介護リーダーに必要なスキルには、主に次の5つがあります。

介護に関する高度な知識と技術

介護リーダーは、どのような状況になっても適切に判断して、臨機応変に対応しなければいけません。そのためには、介護に関する高度な知識と技術を持ち合わせておく必要があります。介護職として長く経験を積んだ人や、介護福祉士の資格を持っている人などが選出されることが多いでしょう。

指導力

介護リーダーは、介護職員を指導する立場にあります。介護現場は他職種からの転職組も多いことから、さまざまなタイプの職員がいると推測されます。どのような人であっても、その人に合わせた指導を行う必要があるため、介護リーダーにはしっかりとした指導力が求められます。

マネジメント力

利用者に適切なサービスを提供するためには、誰が対応しても利用者に同じ対応ができるようにしておかなければなりません。そのため、介護の質にばらつきが出ないよう、介護職員の育成や適切な配置などを行うマネジメント力が求められます。

リーダーシップ

ひとつの職場を統括していくためには、リーダーシップは重要な要素となります。介護リーダーは全体を引っ張っていく立場にあるため、リーダーシップは必要不可欠なスキルといえるでしょう。

コミュニケーション能力

介護職は、人と人との関わりが基本となります。介護リーダーは職員間だけでなく、他部署や他職種、利用者家族との関わりも多くなります。そのため、他の職員に比べてよりコミュニケーション能力に長けている必要があります。

介護リーダーが抱えがちな4つの悩み

介護リーダーは、その立場からさまざまな問題を抱えがちです。そのなかでも、代表的な4つの悩みについて、見ていきましょう。

業務量が多い

介護リーダーは通常業務を行いながら、リーダー業務もこなしています。そのため、他の職員に比べると必然的に業務量が多いといえます。
必要な人材が確保されていれば、通常業務を他の職員にある程度任せることができるでしょう。しかし、介護業界はどの現場でも人材不足に悩んでいることが多く、結果として介護リーダーの仕事を減らせないというジレンマに陥っています。特に、アクシデントが発生したときには、介護リーダーが率先して動く必要があるため、介護リーダーの負担がさらに増加します。
リーダー業務は他の人に変わってもらうことができないため、介護リーダーはどうしても業務量が多くなってしまうのが現状です。

上司と部下の板挟みになりやすい

介護リーダーは、管理職と部下のパイプ役といった立ち位置です。管理職が求めるものと部下の思いの差が大きいほど、介護リーダーは板挟みになりやすいでしょう。なんとか差を埋めようと悩む介護リーダーも多く、ストレスに苛まれ心身のバランスを崩してしまうケースもあります。

指導が思うようにいかない

介護リーダーは人を育てる立場でもあります。しかし、思うように人が育たないことや、育てたと思ってもすぐに辞めてしまうケースも少なくありません。
特に、思い悩むケースとなるのが、年上の部下に対する指導です。介護業界は異業種からの転職者も多く、40代50代の新人が入社してくることがよくあります。リーダーとして注意したことが「偉そうにしやがって」と捉えられてしまったというケースもあり、年上の部下に対する指導に苦手意識を持つ介護リーダーもいます。

家族からの苦情に対応せざるを得ない

介護リーダーは現場の責任者という立場です。そのため、家族からの苦情があった場合、リーダーが対応せざるを得ません。苦情対応はストレスのかかる仕事であり、状況や対応方法によっては長引くケースもあり、思い悩む人も少なくないでしょう。

介護リーダーの悩みを解決するために必要な3つのこと

介護リーダーの悩みを解決するために、介護事業者ができることには、次の3つが挙げられます。

定期的なストレスケアを実施する

介護リーダーは職員の育成や家族の苦情対応など、ストレスのかかる仕事を担当します。介護リーダーがひとりで悩みを抱え込んでしまうと、休職に追い込まれることもあるでしょう。介護リーダーがひとりで悩むことのないよう、組織全体で情報が共有できる仕組みを作ることが大切です。職員の相談窓口が設置されていない事業所では、相談窓口の設置を検討しましょう。また、定期的な面談の機会を作ったり、ストレスケアの健康診断を行ったり等、定期的に相談できる体制づくりも大切です。

正当な評価を得られる仕組みを作る

介護リーダーのなかには、「自分の仕事に対する責任や仕事量に対して正当な評価が得られていない」と感じている人もいます。介護リーダーの責任や仕事量に対する評価が正当なものであるか、もう一度確認してみましょう。そのうえで、評価が適切ではないようならば、評価制度を見直し、介護リーダー自身が正当な評価を得ていると感じられる体制づくりをしていきましょう。

業務量を見直して負担軽減を図る

介護リーダーは、通常業務とリーダー業務の両方を行うため、業務量が多くなりがちです。介護ソフトや介護ロボットの導入など、ICT化を図ることで業務が効率化できないか検討してみましょう。ICT化として取り組みやすいのが、介護ソフトの導入です。介舟ファミリーなら、わかりやすい画面と操作性で初めてでも使いやすく、サポート体制も徹底しています。介護リーダーの負担軽減を図るためにも、介護業務の効率化を目指しましょう。

介護リーダーの悩み解決には組織全体で取り組もう

介護リーダーが抱える悩みは個人の問題ではなく、組織全体として取り組むことが大切です。組織の問題として捉えることで、介護リーダーが持つ能力を十分に発揮してもらうことができ、現場の仕事は円滑に回っていくことでしょう。介護リーダーの悩みを解決する方法のひとつとしておすすめしたいのが、介護ソフトの導入による業務効率化です。介舟ファミリーはサポート体制がしっかりしているため、初めて介護ソフトを使う事業所でも安心して使うことができます。この機会に介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。